著作権ってたくさんの権利が束になったものだってこと、ご存知ですか?
本記事では、知ってるようで知らない、著作権のことについてまとめました
著作権はどんなシュチュエーションにも当てはまる内容ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね
(なるべく難しい表現は避けましたが、それでも漢字がいっぱいで眠くなるかも…)
そもそも著作権ってなに?
著作権は創作した人に等しく与えられる権利
著作権は、思想または感情を創作的に表現したもの(作品)に与えられます
例えばあなたが今、オリジナルのイラストを描いたらその時点で自動的に著作権が付与されます
- 著作者:著作物を創造した人
- 著作権者:著作権を持っている人
著作権は売ったり譲渡出来るので、ややこしいですが「著作者」「著作権者」と使い分けがされています
法人著作」という)
ただし会社で創造したものは、個人にではなく会社に著作権が適用されます(「個性が表現されれば、著作権が付与される
単なる事実やデータをまとめたものには、著作権は付与されません
例えば
- 先週の天気まとめ
- スマホのスペックまとめ
- YouTube再生回数ランキング
など。
ただし検索機能をつけたりグラフにしたり。分かりやすくまとめるなど、そこにその人なりの思想や感情が含まれれば、著作物と認められる場合も無きにしも非ず。
あとキャッチコピーや単語を組み合わせて作られた表現も、創造性が認められず著作物にならないとされています
その人なりの個性が表れていれば、創作的とみなされ著作権が発生します
例えば鼻歌や即興の音楽など、何らかの形で思想をアウトプットしたらその時点で著作権が発生します
代表的な著作権があるもの
ご存知でしょうが、
- イラスト
- 写真
- 文章
- 歌詞
- 楽曲
など。
ゾウやサルなど、動物が描いた絵や作品は著作権の対象外
本自体は「所有権」という権利で保護されていて、著作権で保護されているのは本ではなく中身の文章になります
法律は著作物(著作権は国)ですが、著作権で保護はされていません
→裁判所の判決や・行政機構の告示、通達なども同じ
著作者の権利には、著作権と著者者人格権がある
人が作品を作ると、その瞬間
- 著作権(経済的利益を保護する権利。財産権ともいう)
- 著者者人格権(名誉を守る権利)
の2つが発生します
実は著作権は「権利の集まり」と言われており、勝手に放送されない権利とか、勝手に複製されない権利とかめちゃくちゃいっぱいあります
それらの「勝手に〇〇されない権利」を支分権といいます
▼こちらのサイトにあるPDFがわかりやすくておすすめです
3つある著作者人格権
ここからさらに細分化します(笑)
著作者人格権は
- 公表権
- 氏名表示権
- 同一性保持権
以上の3つがあり、著作者の名誉や感情など、人格的な利益を保護ための権利のことをいいます
勝手に公表されない権利(公表するか否かを決められる)
また、いつどのように公表するかも決められる。
例えば、自分の日記を勝手に公表されたら嫌ですよね
勝手に著作物の氏名表示を変えられない権利。
氏名表示の有無は著作者自身で決められることができる。
本名かペンネームか無名か、名前は著作者本人が決められます
著作物を勝手に改変されない権利
仮に改変によって著作物の評価が高まったとしても、著作者の意思に反していれば同一性保持権侵害になる。
同一性保持権侵害になるか否かの基準は著作者に委ねられている
著作権は譲渡や相続が出来ますが、著作者人格権は売ったり相続をすることは出来ません(「一身専属」といいます)
著作権(財産権)はめちゃくちゃ多い
著作権(財産権)は著作権者が経済的な利益を得るための権利です
(本人が良ければ、著作物を売って報酬を得てもOK)
複製権 | 著作物が勝手にコピーされない権利 (文章を手書きで写したって、それはコピー) |
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演奏・上演・上映・口述権 | 著作物が勝手に公に演奏・上演・上映・口述されない権利 (アカペラも演奏に含まれる) |
公衆送信権 | 著作物が勝手に送信されない権利 (有料放送やブログの下書きなど) |
展示権 | 原作品を勝手に公に展示されない権利 (美術品や未発光の写真) |
頒布権 | 映画の著作物を、勝手に公衆に譲渡または貸与されない権利 |
譲渡権 | 映画以外の著作物を原作物と複製物を、勝手に公衆に譲渡されない権利 (適法に譲渡された後には譲渡権が及ばない。これを、消尽という ) |
貸与権 | 譲渡権映画以外の著作物の複製を勝手に貸されない権利 |
著作権法でいう公とは、相手が多数だったり不特定の場合を指します
何人以上はダメなどの人数の明確さはなく、家族や友人など特定少数の人の前で演奏などするのはOK
漫画の実写化は著作権侵害にならない?
漫画の映画化、翻訳、編曲などを「二次的著作物」といいます
二次的著作物を利用したい場合は、原作物の著作者の許諾が必要です
もしその漫画が共同著作物(1つの著作物に著作者が2人以上いる場合のこと)なら、著作者全員の許諾が必要です
著作者の許諾が不要のシチュエーション
著作権者の許可を得ずに著作物を利用できることを「権利制限規定」といいます
例えば
- アイドルの写真集をコピーして自宅に貼る
- テレビ番組を録画して後で見る
- CDを購入後、転売またはプレゼント
- 人気バンドのコピー曲を学園祭で披露する
- 東京で撮った写真に人気キャラクラーが映り込んでしまったが、分離できない
- 動画にとあるバンドのBGMが入り込んでしまった(付随的著作物という)
- 営利を目的としない教育機関で、資料として本をコピーして配布する
などなど、権利制限規定のあるものもたくさんあります
自分で楽しむためでも、インターネットに違法アップロードされているとわかっていながらダウンロードする行為は違法
著作権の保護期間
原則、個人の著作物の保護期間は著者の生存中と死後50年です
無名や著作者が不明の場合や、企業や団体の著作物は公表されてから50年
映画だけは公表されてから70年です
- 著作者が複数の場合は、最後に亡くなった著作者の死亡日から50年
- 無名・変名で公表した著作物も、実名登録をすれば、公表から50年→死亡から50年に変わる
著作権の登録について
著作権は自然と自動的に付与されるものなので、基本的にはどこかに申請する必要はありません
が、文化庁で登録することもできます(7,000円くらい)
プログラムだけは、創作されてから6カ月以内に一般財団法人ソフトウェア情報センターで手続きを行います
実演家には2つの権利がある
実演家とは
- 俳優
- 演奏家
- 歌手
- ダンサー
- 朗読者
などの職業の人。プロだけでなく、一般の人も実演を行えば実演家とみなされます
実演家に与えられる権利は
- 実演家人格権
- 著作隣接権
これまたさらに権利が細かく分離しており、下記のサイトが分かりやすいです
実演家の著作隣接権とは|実演家著作隣接権センター
著作隣接権の保護期間は、実演・録音・放送した時から50年
引用について
ブログを書いていると引用することも多いです
- 引用される著作物が公表されている(未発表ものはでない)
- 公正な慣行に合致している(正しい使い方をするってこと)
- 引用部分と自分の著作物が明確に区別されている(「“◯◯”」などで囲い、引用されたものだとわかるようにする)
- 自分の著作物が、主。引用した著作物が従である(自分の文章より引用の方が多いみたいな記事は×ってこと)
- 報道、批判、研究、そのほかの目的上正統な範囲であること
以上を守れば、引用したってOK
引用ってこういう、“◯◯で囲ってあるやつ”
著作権を侵害した場合の損害賠償
他人の著作物を勝手に使うと、著作権を侵害したことになります
著作権の支分権(複製権とかいろいろある権利)を直接侵害する行為でなくても、間接的に著作権者の利益を害するような行為があればみなし侵害に該当し、罰則を受けることもだってあります
著作権を侵害すると、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその両方が課せられます
(会社で著作権侵害を行うと、会社も罰則の対象)
著作権を侵害された人は、著作権侵害に対して侵害の差止め・損害賠償請求ができる
情報モラルについて
無断で写真を撮られたり、撮った写真を無断で公表されない権利を肖像権といいます
さらに有名人には容姿が商売道具でもあるので、パブリシティ権という権利も認められています
有名人と撮った写真を勝手にSNSに載せるのは×(本人から許可をもらえばOK)
お店の悪口をネットに書き込めば、名誉毀損や侮辱罪になることだってあります
おしまい